徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 帝国愛蘭会徽章

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選挙の時期になると決まって登場するのが胡蝶蘭。開店祝いなどでも飾られているのをよく見かける。
いかにも高価そうな雰囲気がめでたい場で必要とされているものか、妙な風習もあったものである。洋蘭栽培業者にとっては、選挙の年はカキイレ時だそうだ。

かくいう私にとって、どうも胡蝶蘭のいかにもな高級感もどうも陳腐に感じるし、カトレアなどのゴージャスな雰囲気も高級クラブのホステスさんのドレスみたいで(ひどい譬えだ我ながら)、好きかといわれれば、正直「どうでもいい」としか言いようがない。

しかし、ランの世界も奥深い。熱心なマニアが世界中に存在し、原種の探索や品種改良の研究が行われている。数万種類に及ぶと言われるランの種類の中には、驚くようなものもいる。
以前偶然ネットで見かけたある種のランには目を奪われた。大げさに言って、こんな植物がこの世に存在するとは、と思った。調べてみると、値段は全然高くない。急に欲しくなって、今度買って育ててみようと本気で思っている。

園芸家の多い日本でもランは愛好されている。かの大隈重信は熱心な洋ランの愛好家であったらしく、大正5年(1916年)に帝国愛蘭会を設立し、初代会長を務めている。当時の官立大学卒の初任給が75円であった時代、帝国愛蘭会の会費は30円であったというから、庶民が気軽に手を出せる趣味ではない。
しかし、太平洋戦争の時代になると帝国愛蘭会は自然解消となった。ラン栽培が趣味として大衆に広く普及したのは高度成長期以降のことである。

画像の徽章は帝国愛蘭会の会員章であろう。ずばり洋ランの花(シンビジウムか?)を象ったバッジで、小さいながらなかなかよくできていて好ましい雰囲気を持っている。