徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 抗美援朝(朝鮮戦争)バッジ

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朝鮮戦争というのは、日本のすぐ近くで勃発した世界史的大事件だったというのに、日本人にとってはなんだか縁の薄い戦争だったような気がする。まあ日本は当時、社会の大変革期でもあったし、脱軍国主義の中で積極的に関与することもなかった。まあ正直言えば、大多数の日本人にとっては「それどころじゃなかった」のだ。

だが、東西冷戦構造へと世界が塗り替えられていく中で、日本も影響なし、というわけにはいかなかった。枢軸国としての日本軍を解体したアメリカは、日本を反共産主義の橋頭堡とするための武装化を画策するようになる。そのきっかけが朝鮮戦争であった。

中国も本当は建国直後の建設期で、「朝鮮戦争どころじゃない」状況だったのだが、朝鮮半島の将来は無視できない。「中国人民解放軍」を「中国人民志願軍」と名を変えて大軍を送り出した。正面切ってのアメリカとの対峙を避けるためで、せせこましくも切実な策と思わずにはいられない。

日本との戦争の傷がまだ癒えない中国にとって、日本の再武装化の動きは無視できないものであった。その証拠がこのバッジ。「抗美援朝」とは「アメリカに抵抗し朝鮮を助ける」の意味で、中国ではあの戦争を、朝鮮戦争なんて言わず「抗美援朝戦争」と呼ぶ。文字は毛沢東による。その下には、「反対美帝武装日本」=「米帝の日本武装に反対する」。
アメリカによる日本武装化、という指摘はある意味、正鵠を射ているといるかもしれない。