徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

ソ連 名誉勲章

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まだ私がコレクターになる前の話だ。
初めて手に取って見たソ連の勲章が、この勲章だった。労働者の力強さにあふれたデザインは、私の心を強くつかんだものだった。質感も、厚味で銀製で、ズッシリと重みがあって、それがまた私に強い印象を与えた。
なんだか共産主義ソ連いうものがどういう社会か、実感として胸に迫った感覚を覚えた。そういう意味で、私にとっては思い出深い。ソ連の勲章は非常に豊富だが、その中でも特に優れているんじゃないか。
いや、優れているというより、単に私の好みに合うのだ。

日本の、どちらかというと情緒的でシンプルさが目立つ日本の勲章に比べ、あまりにも違う。
まずデザインが斬新。ロシア・アバンギャルドを彷彿とさせる大胆な構図(この勲章が制定されたのは1935年だから、ロシア・アバンギャルドの影響があるのはむしろ当然といえるかもしれない。)。このような大胆な意匠を勲章に用いるのがソ連もののおもしろさだ。

たなびく2本の赤旗。そこに書かれたおなじみのスローガン「万国の労働者、団結せよ」。特に、描かれた男女の労働者の力強さが目を引く。大地を堂々と踏みしめ、胸を張りって行進する2人。太い腕、厚い胸板、服装は飾り気のない質素な労働服だが、それがロボット的な力強さを感じさせる。

スローガン入りの赤旗は2人の手に握られていて、上には赤い星をいただく構図が巧みだ。国名(CCCP)は金メッキの別パーツではめ込まれていて、一段浮き出されている。

この勲章は、労働者・農民から軍人まで広く授与された勲章で、ソ連におけるメジャーな勲章のひとつである。下には「名誉章」と書かれている。