徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 文化大革命期 毛沢東バッジ

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新聞を見て、あっ昨日はそうだったか!と思いだした。
1966年5月16日は、中国文化大革命が発動した日とされる。「5.16通知」が中国共産党内に交付された日である。要するに、社会に潜む反動修正主義者どもを叩き出せ、というわけである。

そう、今年は文革発動から40年、収束から30年目の年になるのである。
あの時紅衛兵として活動した青少年達は、もう50代後半。改革開放経済の中心として活躍することになった。なんとまあ、思えば激動の世代である。

もっとも、文革発動に至る伏線は色々あって、なんの前触れもなかったわけでもないが、ともかく中国はここから前代未聞の政治的動乱に突入することになる。
そして1976年の毛沢東の死まで、約10年間続いた文革は収束する。

私は文革には昔から興味を持っていたので、ナマで体験してきた世代にはかなわないが、文革に関してはいろんな資料にあたったり、話を聞くことがあった。
中でも印象的だったのは、まだ中国に行き始めたばかりの時、北京のおばちゃんから「昔はみんなやってたのよ。毛主席万歳!毛主席の健康をお祈りします!ってね。こういうふうに」と、毛語録を振り上げる仕草をしながら語られたことがあった。

そうなのだ。当たり前のことだけど、この人たちはあの時代を、あの現場を知っているのだ。
私はよく北京に行くのだが、路地で雀卓を囲むジイサマら、孫を遊ばせるバアサマら、携帯電話でガアガアとしゃべりまくるオッサンら、本当にその辺にいるただの人たちが、みんな戦争や文革や、その他大小の運動や騒動に参加し巻き込まれ、あるいは加害者となり被害者となってきた人たちばかりなのだ。
それをくぐり抜けてきた末に、今の生がある。
・・・想像を巡らすと、なんだかめまいを覚える。受け止めてきた体験が、あまりにすごすぎはしないかと。
これが人間のたくましさというか。しぶとさというか。

そんなわけで、今日はゼヒとも文革バッジを紹介したい。
毛沢東バッジこそ、文化大革命の象徴である。大衆動員政治にある意味マッチした政治文化といえよう。

無産階級文化大革命の全面的勝利万歳!」と書かれたバッジ。おそらくこの文言からして1969年の作であろう。直径は58mmもある。
文革期の毛沢東バッジについては、色々とハヤリなどがあるのだが、1969年は質・量ともに最盛期である。これを境に、毛バッジ製作は急速に廃れていくこととなる。
それについては、また機会を改めて語ることとしよう。