徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

アメリカ 仏教青年会メダル

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鮮やかな6色のリボンが印象的なこのメダル。中央には桜花と「仏」の文字
その周りには?b>Young Men's Buddhist Association」と英語が書かれ、枠を飾るのは西本願寺の寺紋とされる「下がり藤」?br />

裏面には、「北米桜府仏教青年会章」とこちらは漢字表記がある。桜府、カルフォルニア州の州都、サクラメントのことである。
中央の桜の花は、いうまでもなく桜府=サクラメントからとられたデザインであろう。一種の言葉遊び、ダジャレである。

アメリカにおける日本人移民による仏教青年会のものである。本願寺派仏教会のようだが、似たような名前は他にもあって紛らわしい。日本人移民の多かったカルフォルニアに本部が置かれた。
仏教青年会は、名称を1947年に「Young Men's」 から単に「Young」へと性別のニュートラルな表現に変更されている。また、「北米仏教団」は、1944年に「米国仏教団」への名称が変わっている。このメダルでは、「北米桜府仏教青年団」とあり、「北米仏教団」へ属する組織であることを表しているように思われる。したがって、このメダルは1944年以前のものと判断してよいだろう。

アメリカの日本人仏教組織も、戦争中は敵国組織ということで警戒され、活動は様々な妨害を受けたという。戦後になっても宗教的マイノリティとしての苦労は絶えなかったことであろう。

ツクリをしげしげ見ていると、リボンの留め金、文字の刻印などの特徴は、アメリカ製ではなく、日本製のように見える。日本の仏教団からアメリカへと贈られたものだと思われる。