徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

番外編・「バッジコレクター、中国を行く」(上海編)

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北京滞在は実質3日程度だったのですが、実は1日目の夜、すでになんだか体調不良を覚えました。熱っぽい感じではないのですが、少し頭痛があったのです。こういう体験は初めてではなく、寒さのせいで体調が少し崩れたと思われました。もっとも頭痛といっても深刻な程度ではなく、その後も活発に活動していたのですが。

北京発特別快速で約9時間、車中泊。朝9時過ぎに上海駅着。ホームを降りた途端、あれっ?と思ったのがその暖かさ。北京とは全然違うのです。実は去年も私は北京から南京・上海へ行ったのですが、南京まで行けば北京より暖かいはず、と思っていたら大雪に見舞われ、ひどい目に遭いました。ですが今回はそのようなこともなく、ホテルに入った私はさっそく何枚か服を脱いで軽装になりました。
おかげで、上海滞在中に体調は完全に復活することができました。暖かいということが、どれだけ気持ち良いことか、つくづく感じました。(暖かいというのは、あくまで北京と比較しての話だが)

ホテルに荷物を置いて身軽になった私は、すぐにタクシーに乗り、古物市場へ向かいました。上海は、中国一の経済中心地であるので、さぞや良いモノが集まっているだろう、と考えるムキも多いでしょうが、私にしてみれば北京のほうが良いモノが多い。いわゆる書画骨董の類はいざ知らず、私のコレクションの対象であるバッジ類については、少なくともそうだと思っています。

今回感じたのは、上海は骨董業界がかなり盛んになってきているということで、高級骨董店が軒並み増えてきています。これも経済発展のなせるワザなのでしょう。まあ私の関心があるブツはそんな高級っぽい店構えの所には絶対に置いていないので、横目で眺めつつスルーするだけです。
古いものを見るのは基本的に好きなのですが、骨董の王道である焼き物や書画となると、いかんせん知識がなさ過ぎる。日本以上に中国は恐るべきニセモノ王国で、骨董の類もまず真贋を疑ってかかる必要がありますが、まずそれが全然わからない。
それに、中国の歴史でも、せいぜい清末民初以降の近現代にしか関心を持てない私。
あ、きれいな焼き物だなと思うことはあっても、手を出すことはありません。

困ったことに、バッジ類についても、どんどんニセモノが登場しているのが現状です。幸い、バッジに限定するなら、私はかなりのところ真贋鑑定はできるつもりなので、失敗する可能性は低いと思っていますが、それ以外のジャンルは皆目見当もつかない。また、「古美術品」クラスのモノでは、失敗したときのダメージもでかく(つまり、値段が高い)、とても手を出す勇気はありません。
(白状すると、過去にニセモノバッジをホンモノと間違えて幾度か失敗したこともあります・・・)

さて、なじみに古物市場につくと、まだ時間は早かったので、とりあえず端からじっくり見て回る。この日は平日だったので、客も店の人もまばら。こういうとき困るのが、欲しいモノが見つかっても買えないという事態。この日もあちらこちらで買い物をしつつ物色していたら、ガラスケースの中に、古い金日成バッジがあるのを発見。ところが店の人がいない。せめて手にとって見るだけでもと思っても叶わないのです。
となりの店の人に、ここの人はいませんかと尋ねると、今日は来てないなあとのこと。やむを得ません、しきり直しです。幸い翌日は人の多い土曜日。明日は来る可能性も高いだろうと、未練を残しつつ退却するほかありませんでした。まあほかの店ではそれなりに収穫がありましたが・・・

翌土曜日は、週末のノミの市が開催されるので、朝からそちらをまず一巡り。しかし、ひどいもんだなと思うばかりでした。北京と同様、ろくなモノがない。その後、近くの他のノミの市を回りましたが、状況は同じ。モノは減るは値段は高くなるは・・・この業界も、ますます厳しくなる一方という感じです。
その後、前日行ったところに再チャレンジ。すると、この日は目当ての店の人が来ていて、無事目的の金日成バッジをゲットすることができました。心底ホッとしました。入手に失敗すると、その未練、怨念を日本にまで引きずって来なきゃいけなくなる。コレクターにとっては、それが魅力的なブツであればあるほど入手失敗体験がトラウマになってしまうのです。
現にオレなんて、8年前、入手し損なった18金製毛沢東スターリンバッジ(50年代製)を買いそびれたのを未だに忘れることができないほどなんだから。ああ・・・

それはさておき。そこの店ではそのほかにも貴重なバッジを入手できました。けっこうな収穫だったなあ、さあ行こうかと思ったときにふと目に入ったのが、文革風味バリバリの絵が描かれた古びた箱。なにこれ?と思って見せてもらうと、紅衛兵の男女の子どもの絵と「新建設積木」文字。開けてみると、毛主席語録や「共産党万歳」などのスローガンが書かれた様々な形の木片がきれいに収まっていました。つまり、文革時代に作られた子供用オモチャだったのです。
自慢じゃないが文革グッズは相当見てきているつもりで、その中にはこの時代ならではの子供用オモチャもありましたが、これはすごいと思いました。組み立てるとさまざまなパターンの建物ができるのです。文革風バリバリの。傷みはあるものの、箱・解説書付きというのも惹かれました。
値段をきくと予想以上に高かったのですが、若干値引きしてもらって結局購入。

そんなこんなで、この日も日がな一日歩きづめ。脚が痛くなってきたところで日が暮れて行きます。気がつけば、おお、今日は大晦日か!すっかり忘れていました。
ホテルでは衛星放送で紅白歌合戦を見ながら年越しそばならぬ、年越し方便面(カップ麺)。
で、翌1月1日の夜に帰国してきたというわけです。

画像は、元旦の上海南京路。上海一の繁華街の歩行者天国にあふれる人の波。