徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本叙勲者協会 叙勲者章

イメージ 1

日本叙勲者協会の正体は、ネットで調べたけどよくわからなかった。
バッジ本体自体は、いわゆる国会議員章を思わせる厚みのあるツクリで、13葉の菊花紋の中央に「勲」の1字。脱落防止と装飾を兼ねた飾り紐付き。純銀・金張仕上げのため、手に持つとズッシリとした重みがある。裏面のネジ留めには、シリアルナンバーまで刻印されている。

さて。勲章をつけるに当たってはそれなりにルールがあり、「勲章等着用規程」(昭和39年4月、総理府)によると次のようである。勲章の権威を損なうことのないよう、ジャンパー、セーターに着けるわけにはいかないのである。
1 国、地方公共団体その他の公の機関の行う式典に着用
2 1等勲章以上の勲章は、燕尾服若しくはローブデコルテ又はこれらに相当する制服に着用
3 2等勲章以下の勲章は、男子にあっては紋付羽織袴、若しくはフロックコートモーニングコート、又はこれに相当する制服、女子にあっては白襟紋付、若しくはローブモンタント、又はこれらに相当する制服

確かに着用するのにいちいち、紋付羽織袴だのローブモンタントだの言われても困る。そもそも公式の式典に参加する機会自体が、普通はほとんどない。親戚の結婚式とは訳が違う。
そのためかどうかしらないが、勲章をつけている人自体、日本では日常見かけることはまずない。外国の賓客を招いた宮中晩餐会のテレビ映像くらいか。
だが、日常服に着けるために、わざわざ略章というものが正式にあるのであり、叙勲者協会から叙勲者章をもらってつけるというのは、よくわからない行為である。なんか屈折してるなあ。
結局は、略章であれ本章であれ、勲章をつけるということに、叙勲者自身に抵抗があるのだ。といって、叙勲者である証はやはり欲しい。で、こういったバッジが登場する余地が生まれるのだろう。
日本では、叙勲時に記念写真でも撮った後は、箱にしまって神棚に納めておくというのが一般的なのかもしれない。
なお、この叙勲者協会による叙勲者章は複数のタイプの存在が知られている。

バッジの果たす役割に、権威の象徴、というのは大変重要な部分である。