徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 潜水艦き章(みやげ品?)

イメージ 1

後半一気に読み終えてしまった「中国的天空 上―沈黙の航空戦史」(中山雅洋著、大日本絵画)。はやく下巻が出ないものかと待ち遠しい。

日中戦争における空の戦いを、日中双方の史料と証言から再現していく著者の努力は、スゴイの一語に尽きる。だが、その著者をして嘆かせたのが、日本側の各種資料の欠損である。

まず、敗戦時に意図的に処分された軍事資料の数々。これは混乱期だけにどうしようもない気もするが、これによって多くの歴史的事実は次の時代に受け継がれることも活かされることもなく、闇と消えた。
もうひとつの問題は、部隊の公式戦闘記録である「戦闘詳報」などに、自分に不利な記録を極力残すまいとする基本的姿勢である。
被害は過小評価し、戦果は過大に評価する、というのはいつの時代どの国の軍でも共通することなのだが、こうした姿勢は少しずつ、トータルすれば恐るべき深刻さで日本の軍組織を害したであろう。
下は都合の悪い情報は上には伝えず、伝わったとしても上は上で聞かなかったことにする。こうすれば誰も困らないのである。みんなの安泰は図られる。いったい何が悪いことがあるものか・・・と。
だが、そうして不正確な情報が積み上がった結果、組織がどうなるかは、自明の理である。

戦闘じゃなくて事故なのだが、先のイージス艦による漁船沈没事故ニュースを聞いていると、そういう思考から抜け出すことの難しさを痛感する。1988年に発生した潜水艦「なだしお」による釣り船沈没事件では、30名が死亡する惨事となったが、航海日誌の改ざんなどが明らかになり、さらに問題を大きくした。
当時健在だった私の祖父は、このテレビ報道を見て、「軍人のくせになんだ!」とその不正に珍しく怒りを見せたことを思い出す(笑)。
本当は、その時私は、情報改ざんについては、旧軍もそんなに胸を張れるものではないのじゃないかなあと思ったものである。黙ってたけど。

というわけで、自衛隊バッジはあんまり持ってないのだが、最近知人からもらったバッジがあったので紹介する。
海上自衛隊のモノであることは、中央のマークからも一目瞭然だが、両側の魚みたいのは何か?と思って調べてみたら、これはシャチであるらしい。そして、この徽章、正式名称を「潜水艦き章」という。(「徽章」の「徽」の字は常用漢字ではないため、公文書ではひらがなを当てられる。)

自衛官の職務又は技能を識別するため に用いるき章の制式等に関する訓令」によれば、「金色の金属製のものとし、桜花及びいかりを中心にして、その両側にしゃち及び波を配したもの。ただし、海曹長以下の海上自衛官にあっては、いぶし銀色とする。
のだそうである。

ただしこのバッジは小さく、また一見して刻印もあまく、公式のモノとはちょっと思えない。レプリカ、またはおみやげ品みたいなモノじゃないかと思っているが・・・ご存じの方、情報お願いします。