徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 (日露戦争)戦捷紀念 児玉源太郎バッジ

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ゆるゆると読みかえしていた司馬遼太郎著「坂の上の雲が、ようやく読み終わった。
学生時代に初めて読んだ頃よりは、私も日本の歴史について多少の知識が増え、自分なりの考えができてみると、この作品に対する印象が多少違ってきたのを感じた。だが、改めて読んでみて、やはり日露戦争や明治政府、そして明治とともに生まれた「日本国民」についての作者の見識には、やはり見るべきものがある。
この司馬遼太郎の代表作を、批判的に見るムキも多い。それはわかる。それでもこの作品はこれからも多くの人を惹きつけると思う。なにより、登場人物の実像にあらゆる角度から迫ろうとする好奇心は、司馬作品に共通した姿勢である。

さて、「坂の上の雲」でも個性的な人物が多数登場するのだが、主役(正岡子規と秋山兄弟以外)以外にも特に強い印象を残すのが東郷平八郎乃木希典、そして児玉源太郎らだ。

その児玉源太郎が描かれているのがこのバッジだ。
このバッジは、いわゆる缶バッジ式のバッジで、直径は2cmに満たない小型のものだ。珍しいことに台紙付きである。「戦捷紀念」とあって、日露戦争後に作られた記念品だ。おそらく、日露戦争後しばらくして作られたものと思われるが、製作時期は不明。
バッジには、児玉の代表的な肖像写真が用いられている。児玉は、気性の激しい一方でユーモリストでもあり、怒ると激しいが情にも厚かったという。
日露戦争が終わると、まるですべての役目を終えたかのように、その8か月後死去した。

東郷や乃木ほどの有名人ではないが、日露戦争勝利の立役者には違いなく、このようなバッジが作られる資格は十分にあるといっていい。