徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 「日中不再戦の誓」バッジ

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日本のマスコミに占める中国関連ニュースの量が、本当に増えたなあと思う。特に昨年はそうだった。尖閣諸島問題、中国共産党大会問題、中国国内の格差問題に暴動と、まあネガティブなネタばかりなのだが。
昨年の党大会にしても、テレビニュース番組では指導部権力闘争や人物紹介などが詳細に解説され、それを見る度に私は、ああ中国のプレゼンスが増していることをまざまざと実感した。保守系雑誌でも、毎号ほとんど中国特集を組んでいるんじゃないかという感じ。取り上げる内容がネガティブであろうとなんだろうと、日本はもう中国の動向を注視せざるを得ないようになっているのである。

さて、画像のバッジは、ただ若葉と「7.7」の字しかない簡単なモノで、まったく気にもとまらないシロモノだが、さて正体は?
7.7といえば、盧溝橋事件(1937年7月7日)かなあと想像したらまさにその通りで逆にビックリ。バッジの裏面の文字は、「七.七事件三十周年 日中不再戦の誓」とあった。それにしても、表はなんだかどうでもよさそうなデザインである。

日中全面戦争のキッカケとなったこの事件の30周年ということは、1967年に作られたバッジということになる。ベトナム戦争まっただ中の時代である。中国国内は文化大革命の嵐が荒れ狂っていた頃だ。

「日中不再戦」といえば、京都嵐山の「日中不再戦の碑」が有名だ。私もここ訪れたとき、想像以上に堂々たる石碑だったのには驚いたものだ。
碑文にはこうある。
・・・(前略)いままた侵略勢力が横行している時、日本・朝鮮・中国・ベトナムなどアジア諸民族は固く団結し、再びアジアを戦場としない決意の表明である。
一九六八年七月 日中不再戦運動京都実行委員会
日中不再戦実行委員会の実体は定かではないが、このバッジを作ったのも同系列の組織であろう。

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写真は、桜満開の京都嵐山で撮った日中不再戦の碑